大図研全国大会で京都支部が発散していたパワーについて*

大学図書館問題研究会全国大会は8月4〜6日で開催され、150人の会場に160人以上の方々をお迎えして盛況でした。どうもありがとうございました。
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あれから1ヶ月経ちました。忙しくしていた皆も、日常に戻っています。

今回、大きな催しを手がけて成功した、という充実感はあるのですが、それ以上に、初めて得た感覚がありました。それは、大図研や各種学会のような、図書館員にとって入会が任意である団体のあり方についてです。

例えば全国大会に伴ってたくさんの業務が発生したりした場合、忙しいとか面倒くさいとかで誰も手を出そうとしないような状況はありがちだし、そもそも大図研なんて入らない、という図書館員は世の中にいくらでもいます。入会する目的は、仕事に役立つ情報、人脈、セミナーなどがありますが、それが払った分のお金と見あっているのかということはそれぞれ考え方が違うでしょう。

大図研京都支部に会費7,000円を支払って会員となり、かつ支部委員となっている人には、ルーティンワーク及び特別ワークのようなことが出てきます。その分プライベートな時間を削っていく。でも、大半の支部委員は、そのことがあとで、削ったプライベートな時間のみならず仕事にも生きてくることが何となくわかっているみたいだなということが伝わってきます。実感するには早い若い人にも。

それにしても大会準備中には解決すべき問題が次から次へと出てきたわけですが、何かとみんな忙しかった中で、協力しあって楽しく問題解決を繰り返すうち、何か京都支部の力強さというか、楽しさやパワーのようなものを発散していたようです。

何度も「京都支部のパワーを感じました」と声をかけていただくなど反応が非常に好意的でありがたく、ツイッターでも、まとめサイトに1,000回以上もアクセスがあるなど非常に盛り上がり、たくさんの企業の方々に参加していただいてレビューや展示ブースを行い参加者の幅も広がりました。分科会はどの会も非常に趣向を凝らしていて、分かれているのが残念なほど。自主企画も人気がありました。

そして、全国大会中から、京都支部への入会希望の方が何人もありました。
やはり、私達が何らかのパワーを発散していて、それが、走り回っている中で、参加していた人たちの考え方に何かの影響を与えたように思います。

先日本で読んだ、選択理論の「上質世界」という概念を思い出しました。私もこの理論をまだよくわかっていないのですが、簡単に言うと「上質世界」とは、私達一人ひとりの欲求を満たす理想のことで、
1)一緒にいたい人
2)所有したいもの、経験したいこと
3)信条、行動を支配する考え方
などのことです。

「上質世界」は、人によっても違いますし、同じ人の中でも日々書き換えられます。

私は今回の反応を見て、今まではこういった上質世界になかなか踏み込めなかった大図研が、今回何人かの人たちの上質世界に取り入れられたのではないかと感じました。

つまり、大図研が、より「参加したい」「経験したい」と思われるような対象として、少なくとも一部の人たちには認知されたということです。会費も変わらず7000円だし、メンバーだって変わっていない。そういうこととは別に、無意識にブランディング力を高め、「この人達と一緒に何かしたくなるような団体」になるような状況を作っていたのかなと。

私はそこに、とても大切な、何かの輪郭が見えたような気がしました。
もっと具体化できればいいのですが、掘り下げられていません。
でも、会費の上げ下げとかではなく、これを大切にしていけばいいんじゃないかと感じています。

ここでは、感じたことを忘れないように書き留めておきます。